富 士山高所科学研究会 |
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研究会について 補助資料 その他 |
富士山高所科学研究会からのお知らせ・ 平凡社から「富士案内 芙蓉日記」が発売されました(2006
年1月)
・ 大成建設(株)から活動助成を受けます(2005 年11月) ・ 富士山測候所OBからお話を伺いました(2005 年11月5日) ・ 気象庁の検討委員会にオブザーバー参加しました(2005年10月31日) ・ AIEシンポジウムでビラを配りました(2005年 9月22日) ・ 11月の気象学会で スペシャルセッションが設けられました(2005年11月23日) ・ 高所医学の研究利 用を実施中です(2005年 8月19日) ・ NPO 設立を検討しています(2005年7月 25日) ・ 富士山測候所の見 学会を開催しました(2005 年7月18日) ・ 測候所内部の情報 をいただきました(2005 年7月4日) ・ 今夏の富士山測候 所施設の研究利用が認められました(2005 年6月16日) ・ 6月26日(日) にイベントを開催しました。 ・ 富士山における法 規制について勉強しました(2005年6月3日) ・ 気象庁を訪問し、 お願いをしました(2005 年5月25日) ・ 日本登山医学研究 会で決議をいただきました(2005 年5月26日) ・ イベントを開催し ま した(2005年5月17 日) ・ 気象学会のサポー トをいただきました(2005 年4月19日) ・ 第7回の研究会会 合を開催しました(2005 年4月18日) ・ 当会の活動が報道 されています(2005年4月12日) ・ 有効活用委員会に 参 加しました (2005年 3月27日) ・ 研 究発表会を開催しました (2005年 3月24日) ・ 本「変わる富士山測候 所」について (2005年 3月) ・ 富士山頂の湿度に つ いて (2005年3月12日) ・ 野中至の50年忌 (2005年3月2日) ・ AIEシンポジウム報 告 (2005年1月) ・ テレビ番組に ついて (2004年年10月13日) ・ 無人化を前に して (2004年9月) <平凡社から書籍「富士案内 芙蓉日記」が発売されました>(2006年1月) 平凡社は、平凡社ライブラリーとして野中至著の「富士案内」と野中千代子著の「芙蓉日記」を1冊の本として書籍化し、今月発売しました。「富士案内」が購入しやすくなるとともに、新田次郎著の小説「芙蓉の人」の素材となった「芙蓉日記」は報知新聞連載以来初の書籍化ということです。当研究会の活動による出版ではありませんが、興味のある方はぜひお求めください。 <大成建設(株)から活動助成を受けます>(2005年11月) 「富士山測候所を活かした国際極地高所科学研究ネットワークの構築」というテーマで、大成建設(株)の「自然・歴史環境基金」の 活動助成を受けることになりました。この活動の進捗については、当ページでもお知らせしていきます。 <富士山測候所OBにお話を伺いました> (2005年11月5日) 御殿場市ぐみ沢下区公民館において、6名の測候所OBにお越しいただき、NPO設立に向けた経緯や活動状況を説明すると共に、運営上の課題などについて ご意見を伺いました。併せて、今後の活動への御参加と御協力をお願いしました。 <気象庁の検討委員会にオブザーバー参加しました> (2005年10月31日) 気象庁において開催された「第4回富士山測候所山頂庁舎等有効活用検討委員会」に、当研究会からオブザーバー参加しました。委員会の席で、気象庁から 「NPOが設立されたなら、次回の委員会から正式なメンバーとしての参加」が提案され、認められました。 <AIEシンポジウムでビラを配りました> (2005年 9月22日) 9月19−21日に京都大学百周年時計台会館で、”東アジアにおけるエアロゾルの大気環境インパクト(AIE)国際シンポジウム ”が開催されました。主催者・笠原三紀夫京都大学名誉教授の快諾を得てNPOに向けての我々の動きに関するビラを配ってきました。 ・ 配布資料1 (日本語説明PDF) ・ 配布資料2 (英語説明PDF) <11 月の気象学会でスペシャルセッションが設けられます> (2005年 11月23日) 日本気象学会の2005年度秋季大会において、スペシャルセッション「高所山岳を利 用した大気科学の展望:富士山頂を観測拠点に」 が設けられました。たくさんの御来場と活発な討論をいただき、御礼申し上げます。詳細の報告は、このページと、気象学会誌「天気」紙面上で行います。 日 時 : 2005年11月21日(月、3日間の大会の うち2日目) 9時15分〜12時 場 所 : 神戸市灘区六甲台町1-1、神 戸大学六甲台地区 文理農学部キャンパス プログラム : −−−−−座長:岩坂泰信(金沢大) −−−−− C201 中澤高清(東北大院理) 「富士山頂における二酸化炭素濃度の観測」 C202 岩井邦中(信州大教育) 「富士山頂における気圧と気温の日変化 」 C203 五十嵐康人・澤庸介(気象研)他4名 「富士山頂で観測されたSO2 」 C204 兼保直樹(産総研)・五十嵐康人(気象研)他1名 「富士山頂と山麓(1300m msl.)におけるblack carbonエアロゾルの同時観測」 C205 加藤広海・宮地和歌(東京農工大院農学教育)他3名 「富士山で観測された大気の硫化カルボニルの鉛直分布−2002〜2005年−」 C206 三浦和彦(東京理科大理)・兼保直樹(産総研)他2名 「富士山麓で観測したエアロゾルの鉛直分布」 −−−−−座長:土器屋由紀子(江戸川大学)−−−−− C207 小林拓・吉村英俊(山梨大)他5名 「黄砂飛来時の非水溶性粒子の粒径分布および吸収特性」 C208 西田千春・長田和雄(名大院環境)他2名 「大気境界層の上端における粒子生成」 C209 畠山史郎・高見昭憲(環境研)他3名 「夏季〜秋季の日光白根山におけるオゾンの観測(2002年と2004年の比較) 」 C210 鈴木啓助・田中基樹(信州大理)他1名 「高山域の積雪から大気環境情報を読み解く」 主 旨 : 大気質量のおよそ70%を占める自由対流圏の観測研究は、主として、航空機を利用するものである。しかし、航空機は好気象条件下でしか利用できず、ま た、連続観測には適していない。その補完として高所山岳の利用が注目されている。富士山頂は、オゾン濃度の日内変動やエーロゾルの化学成分濃度などから、 年間を通して自由対流圏の要件を満たすと考えられている。 2004年10月に「非常駐化」された富士山測候所の跡地の有効活用の一環として、「極地高所研究」の拠点とする案が浮上している。気象観測の合間に富 士山測候所の協力を得て降水、エーロゾル、微量気体などの観測研究を続けてきた経験から、施設の利用が非常に有効であり、また、観測研究は長期間続けてこ そ意味を持つものであることがわかってきた。そこで、今後の利用形態としてどのような観測が必要になるか。雪氷学、雲物理学、大気電気学、生気象学などの 気象学全般にわたる研究を含め、また世界の山岳研究と連携しネットワークを構築することも視野に入れた議論を行うことが急務であると考え、このセッション を計画した。 <高 所医学の研究利用を実施しました>(2005年 8月) 富士山測候所の山頂および山腹施設を8月18〜20日に利用させていただき、当研究会の高所医学グループが下記研究活動を実施しました。 高
所環境における肥満治療の可能性に関する研究
−エネルギー消費量の増大とその分子生物学的機序− 高
桜英輔、長崎成良(黒部市民病院)
目的:高所環境におけるエネルギー消費量の増大、脂肪分解の亢進、肥満軽減のメカニズムを探るために、関連する分子生物学的・代謝学的パラメーターが平地 および異なる3点の高所においてどのように変化するかをヒトで調べる。 [方法] 対象;BMI〔体重を慎重の二乗で割ったもの〕が20-25の健常成人男子8名を対象とし、平地、立山室堂(2500m)、立山山頂(3000m)、富士 山頂(3776m)の4地点において、以下の代謝関連パラメーターを測定する。 測定項目;体重、体脂肪、SPO2、安静時エネルギー消費量(REE)、血糖値、血中IRI(インスリンレジスタンスインデックス), FFA(遊離脂肪酸),TG(中性脂肪),T-chol(総コレステロール)、ケトン体、レプチン、アディポネクチン [想定される結果と意義] エネルギー消費量(REE)が平地、異なる標高の3点の高所で標高に伴って増大することが想定される。血中FFA,ケトン体がREEと同様に、標高に伴っ て増加することが想定される。 インスリン抵抗性の指標であるHOMA-R、血中レプチン値が標高が高くなるに伴い段階的に減少することが想定される。一方、血中アディポネクチン値が標 高が高くなるに伴い、増加することが想定される。 以上の結果が認められた場合、高所においては、動脈血酸素飽和度の低下により安静時エネルギー消費量が増大する結果、体脂肪が安静時においても異化、利用 され、体重(体脂肪)の減少が促進されること、さらにまた、肥満、2型糖尿病などを有するメタボリックシンドロームにとって高所に滞在することは、インス リン抵抗性の改善を通して健康増進につながる可能性が示唆されることなる。 <NPO 設立を検討しています>(2005年 7月25日) 富士山測候所および関連施設の研究・教育利用を図るため、当研究会は施設の運営プラン策定や運営ノウハウの気象庁からの継承、関連機関との調整を効率的に 行うためのNPOの設立を検討しています。詳細はあらためてご報告いたします。 <富 士山測候所の見学会を開催しました>(2005年 7月18日) 無人化して一冬を越した山頂庁舎の現状把握のため、見学会を開催し、19名(+マスコミ取材)の参加がありました。許可を出していただいた気象庁や現地で 対応いただいた測候所職員の方々、見学会にご参加いただいた方々に御礼申し上げます。 <富 士山測候所内部の情報をいただきました>(2005年 7月4日) 富士山高所科学研究会では、測候所の無人化に伴う施設の劣化を憂い、有人による管理や気象庁が所有する管理ノウハウの継承について訴えてきています。7月 の測候所の一時的有人管理が始まるにあたり、気象庁から山頂施設内部についての情報をご連絡いただきました。お知らせいただいた概要を下記に示します。 ・ 一冬経過した庁舎は、とても状態が良いようである。 ・ 外壁、屋根には無人状態によって生じたと思われる損傷などはない。 ・ 室内には結露や霜もない。そのまま職員が滞在できる状況。 ・ 発動発電器、空調設備、給排水設備についても、機器の損傷・劣化、配管 の破損等は確認されない。 ・ 商用電源についても問題はなく、すでに山頂庁舎で受電を開始した。 当研究会では、7月18日に山頂測候所内部施設の見学会を予定しております。 <今 夏の富士山測候所施設の研究利用が認められました>(2005年 6月16日) 富士山高所科学研究会ではこれまで、気象庁に対し、今夏の富士山測候所関連施設(山頂・7合8勺・御殿場口太郎坊)の研究利用の便宜供与について、お願い をしてまいりました。これに対し、6月16日に気象庁企画課より今夏の協力が可能である旨のご連絡をいただきました。 追記 : 6月20日に気象庁企画課より、測候所施設の見学会の開催(7月18日)を許可する旨、ご連絡をいただきました。 <6 月26日(日)イベン トを開催しました> お暑い中、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。 時間の都合で質問できなかった方は、ご 質問・ご連絡のページからどうぞ。 ・ 参 加者のアンケート、会場の画像抜粋 名称: 「よみがえれ富士山測候所」 主催: 富士山高所科学研究会 後援: 静岡県・山梨県・(社)日本山岳協会・日本登山医学会 日時: 2005年6月26日(日) 正午開場、13時開演、16時半終演 会場: 日 本科学未来 館「みらい CANホール」(東 京お台 場「船の科学館」駅から徒歩) 参加費 : 無料(事前参加申込み不要、直接お越しください。定員300名) (万が一超満員の場合、入場を制限する場合がございます) 登壇者 : 田部井淳子氏(登山家)・三浦雄一郎氏(登山家、スキーヤー) 山本 智(東京大学、電波天文学)・浅野勝己(筑波大学OB、高所医学) 土器屋由紀子(江戸川大学、大気化学)、渡辺豊博氏(静岡総合研究機構) 内容 : 田部井淳子氏の講演 「世界の山々をめざして〜富士山と青少年の自然環境体験」 三浦雄一郎氏の講演 「日本の新しい高所科学の夢にかけて」 科学者のプレゼンテーション・パネルディスカッション 賛同者からのメッセージ、ほか 補足 : イベント終了後、講演者・関係者を交えて自由参加のミニパーティーを開催します。研究会活動にご興味のある方、今年富士登山を予定されている方 など、イベントと併せてぜひ多数ご参加ください。 クリックすると、きれいなPDFファイルになります。印刷してお持ちください。 →日 本 科学未来館のイベント案内ページ <富士山における法規制に ついて勉強しました>(2005年6月3日) 6月3日に「富士山高所科学研究会第9回会合」を 開催し、自然保護による規制について静岡県の方にレ クチャーをしていただきました。 <気象庁を訪問し、お願い をしました>(2005年5月25日) 5 月25日に気象庁を訪問し、当研究会の活動状況につ いての説明と併せ、今夏の研究利用のお願いをしました。測候所施設の当研究会の利用について、気象庁で検討し、お返事いただけることになりました。 <日本登山医学研究会で決 議をいただきました>(2005年5月26日) 5 月20〜22日に鹿児島県で開かれた日本登山医 学研 究会の総会において、以下の 決議をしていただきました。 1.富士山頂を高山病予防の”基地”にしたい。 2.富士山頂を高所順応の”センター ”にしたい。 3.富士山頂を高所医学研究の”メッカ”にしたい。 <イベント「よみがえれ富 士山測候所」を開催しました>(2005年5月17日) 5月17日午後に、静岡市内で一般公開フォーラムを開きました。富 士山高所科学研究会メンバーや、富士山レーダー建設の現場監督を務められた伊藤庄助氏が講演を行いました。 日時: 2005年5月17日(火) 13:30〜16:00 主催: 富士山高所科学研究会・静 岡県・山梨県 受付: (財)静岡総合研究機構 会場: しずぎん ホールユーフォニア(ア ゴラ静岡8F、静岡駅徒歩) 登壇者: 静岡県知事・山梨県副知事 富士山高所科学研究会メンバー・伊藤庄助氏(元大成建設役員)、ほか 内容: ・主催者・来賓挨拶 ・記念講演 「命をかけたプロジェクト"富士山測候所"」(伊藤庄助氏) ・測候所の歴史から無人化、当研究会 の活動に至る 経過説明 ・研究者のパネルディスカッション(大気化学・高所医学・宇宙科学・植物生態学) 参加費: 無料 一般の方向けの「やさしい」「ためになる」「元気の出る」講演会とさせていただしましたが、当日ご質問できなかったことや、ご感想ご意見ご批判などござい ましたら、ご 連絡いただければ幸いです。また、6月後半には東京でイベント(6月 26日、お台場で 検討中)を開くべく、準備を進めていきます。こちらからの個別ご案内をご希望の方は、同じくご連絡い ただければと思います。またアンケートの 結果をまと めました。ご覧ください。 <気象学会のサポートをい ただきました>(2005年4月19日) 富士山高所科学研究会では、気象学会に対し「富士 山極地高所研究拠点実現に関する協力のお願い」を申し入れてきました。学会 では、4月11日の常任理事 会の先生方の合議を経て、気象庁に対して「富 士山測候所の活用に関する 要望書」を4月12日付けでご提出いただきました。 今後、研究会として、気象学会秋季大会をはじめとした学術会合において、学会の期待に応える活動を、活発におこなっていく所存です。 <第 7回の研究会会合を開催しました>(2005年4月18日) 4 月15日午後に、静 岡 県・静岡 総合研究機構か らのご参加をいただき、東大で「富士山高所科学研究会第 7回会合」を開催しました。気象学会への要請・静岡山梨両県との 連携・今夏のパイロットスタディーに向けた計画など、多くの議題が扱われました。 <当 会の活動が報道されています>(2005年4月12日) 4 月11日の静岡新聞朝刊に、 土器屋教授のインタビュー「山頂の環境研 究、多分野に応用」が掲載されました。当研究会の趣旨が掲載され ております。また、4月12日の毎日新聞に 「富 士山測候所:空き家状態続く 管理費ネックで名乗りなく」の記事が掲載 されています。ご興味のある方はご覧ください。 <有 効活用委員会に参加 しました>(2005年3月27日) 3 月25日に今年初めての富士山測候所庁舎等有効活 用の検討会が 開かれました。 正式メンバーやオブザーバーとしての参画は認められておりませんが、「講演依頼」という形で当研究会からも初めて 参加できることになり、2名が参加しました。 以下にその報告を掲載します。 「富
士山測候所山頂庁舎等有効利用検討委員会第3回委員会」報告
土
器屋由紀子
表記の委員会に「講演」依頼を受け出席してきました。議事は「中間とりまとめについて」で、気象庁より、「現時点での委員会の共通認識を示すも のとして、以 下のような内容の中間とりまとめをおこないました。 (1)山頂庁舎の利用方法としては、富 士山頂の特 異・特殊な自然環境条件を活かした「富士山頂極地高所研究の拠点」とすること(静岡・山梨両県共同提案)を候補とする。(これまで提案があった中で最も適 当であるという結論であり、他の利用を排除するものではない。) (2)研究の拠点として利用する際に は、庁舎を管理 運営する主体が必要であるが、現在のところ管理運営を引き受ける考えがあることを表明している機関はない。 委員会では「富士山頂極地高所研究の拠 点」等として 具体的なニーズの把握、庁舎を利用する際の課題の抽出、管理運営を引き受ける機関の特定などについて、今後も検討を進めていきます。」 という説明があり、委員の誰からも質問や意見は出ずに了解され、議事は10分程度で終了しました。 その後、筑波大名誉教授・浅野勝己先生の「富士山での高所生理学の研究と展望」、江戸川大学・土器屋の「大気化学研究グループのお願 い」をそれぞれ30 分 ずつの講演を行いました。資料として「研 究プロポーザル」 を配りました。特に質問 もなく、予定より早く会議が終了しました。終了後の立ち話などでの反応を まとめると、かなり好意的に捉えてくださったようです。「いま、装置が動いていない」残念さと私たちの熱意は伝わったと思います。「もっと分かりやすく。 一般的向きに」という有難いご意見も頂きました。今後の反省材料です。 3月は移動の季節で、今までお世話になった気象庁の企画課長、課長補佐も移動されます。次に引き渡すという意味で文書を残していただいたことは意義があ り ます。静岡県から積極的に私たちの「富士山高所科学研究会」に参加していただいていた企画室主査や企画総室長も移動されます。別の部署に移られても強力 なサポーターになっていただきたいものです。 <研究発表会を開催しまし た> (2005年3月24日) 3月23日に、公開の研究発表会「富士山高所 科学研究拠点の実現に向けた研究発表会」として、富士山高所科学研究会の第6回会合を大入り満員・時間大幅超過で開催しました。ご参加いただいた皆様、 ありがとうございました。 発表資料の一部を以下の表中のリンク先 で見る ことができます。 ・ 静岡県の渡辺豊博さんから、研究発表とは別個に、世界遺産に関する話題提供をいただきました。近日「富士山を 世界遺産にする国民会議」を発足させることに関連して、これまでの経緯やこれからの戦略についてお話いただきました。 ・ 静岡新聞による報道はこ ちら 富士山高所
科学研究拠点の実現に向けた研究発表会
日時 : 2005年3月23日 10時30分〜20時30分場所 : 東京大学(東京都文京区)
<大 気化学分野のプロポー ザル完成> (2005年3月15日) 当研究会の大気化学グループは、富士山頂で実施すべき大気化学観測について訴えるため、広く一般に向けた解説と、学術研究と しての専門的な解説の2つの作成作業をしております。 このたび 専門的な解説と提案である「富 士山頂における大気化学観測 研究プロポーザル」を取りまとめましたので、公開いたします。 ご質問や ご意見をお待ち申し上げております。 <本 「変わる富士山測候所」について>(2005年3月) 土
器屋由紀子
<富 士山頂の湿度について>(2005年3月12日) 3月8日の東京新聞夕刊で、「富 士山頂に疑惑の多湿 測候所無人化、装置トラブル?」の記事が掲載され ています。70年を超える有人観測が守り続けてきた貴重な気象観測データの途絶につながるのではないか、 と憂うと同時に、厳しい観測環境において機器を無 人で運用することの難しさを示唆する記事です。 参考までにここ5年間の湿度をグラフで比較してみます。 2001〜2004 年の観測には、測定不能なほどの低湿度や悪天によると思われる欠測日が何日か見られますので、(速報値として)欠測日のない2005年と直接比較する妥当 性については考慮する必要があるかもしれませんが、概して湿度が高いように見受けられます。2005年のこの高い値が、理想的観測環境の下で捉えられたも のか、観測環境の悪化(吹きだまり?内部結露?)によるものなのかは、気象庁は「いまのところわからない」としています。 <野 中至の50年忌>(2005年3月2日) 2005年2月28日は、富士山測候所の基礎を築いた故、野中至(本名:到)氏が亡くなって50年ちょうどになります。彼は福岡縣(県)出身ですが、お 墓が東京文京区の護国寺にあるということを「日 本掃苔録」の管理人さんに教えていただき、当日行ってきました。 <AIE シンポジウム報告>(2005年1月) 土
器屋由紀子
2005年1月24ー26日に京都 大学、時計台記念会 館で文部科学省研究補助金・特定領域研究(A)416「東 アジアにおけるエアロゾルの大気環境インパクト(AIE)」 シンポジウムが行われました。 富士山関連では、A01,K01(赤木班)「山岳 大気のガスおよびエアロゾルの化学 成分に関する観測的研究」として、赤木右・農工大教授を代表研究者として、五十嵐康人、片山葉子、土器屋由紀子が関係しています。今回の発表会では、「富 士山頂の大気化学観測:2004年6月18〜2日」を土器屋と片山が報告しました。測候所の無人化直前の困難な時期に測候所の協力を得て観測したこと、台 風直前の気象状況でCOSの鉛直分布を測定したことなどが中心で、無人化後の 現状にも言及しました。目下、報告書を作成中です。 この特定領域研究の参加者は、最初の署名活動(Save Mt.Fuji Air Observation)以来、富士山測候所の後利用の問題に関心を持ち、協力をしてくださいました。富士山高所科学研究会のメンバーも多く参加していま す。 会議では多くの観測研究、観測方法に関する研究、モデルなどを用いた理論研究などが報告されました が、富士山で得られたデータが航空機観測、船舶観測などのデータ と比較することによって、今後利用価値が増えることが期待されます。シンポジウムの最後に行われた講評で、岩坂泰信金沢大学教授が、「集まったデータは 使ってこそ意味がある。いま、東アジアは動いている。地球全体を考えて20年後に復活 するようなデータにしたい」と言われましたが、富士山研究の今後にも当てはめたいと思いました。(文責・土器屋)<テ レビ番組の続報>(平成16年10月13日) 土器屋由紀 子、片山葉子 昨日、番組制作会社の担当者から、謝罪がありました。今後、放送された 番組について内容を確認しながら、正しい部分と間違っている部分について 一緒に検証していくことになりました。さらに、取材時には適切な対応をして いただいたにもかかわらず、このような内容で放映されるに至った経緯や、どうすればよい番組制作につながるか?などについて、一緒に考えていきたいと思い ま す。<10月3〜4日に放映 された「素敵な宇宙船地球号:富士山の風」について> (2004年10月9日) 土 器屋由紀子、片山葉子 「富士山の大気観測」を継続する必要があるという私たちの主張を伝えていただいたという意味では感謝しますが、その中で使われたCGは、私たちの知らな いところで作られ、科学的に多くの誤りを含むもので、放置できないと考えています。取材を受けた土器屋および片山が意図しないようなストーリーがつくられたことに、あきれるとともに、充分理解していただけなかったことを非常に残念に思 います。 主要な誤りを下記に示します。 1.COS濃度増加を"最悪のシナリオ"などと決めつけ、地球のフリージングに結びつくように説明しているのは正しくない。 2.SCN−を分解してCOSを出す細菌としてチオバチルス・チオパルスを題材とし、"空飛ぶ古代の微生物"と紹介していた。この細菌は河川水、湖水、土 壌などの自然環境にごく普通に生息しており、番組の中で言及していた古代細菌の定義にはあてはまらない。また、細菌の鞭毛は水中を移動するためのものであ り、あたかもこれを用いて大気中を舞っているなどと説明していたことは視聴者に誤解を与えるものである。 3.光学顕微鏡を用いて撮影した映像を、電子顕微鏡を使って撮影したものであると間違って表示していた。 4.大気中に存在する濃度がpptレベルという極めて低濃度であるにも関わらず、COSの毒性について強調されすぎていた。どんな化学物質であっても量に よって毒物たり得るという(よく言われるのはビタミンCの致死量の話)毒性学の基本を無視して、視聴者の不安を煽ることになってしまっている。 5. 成層圏エアロゾルと極成層圏雲が混同されていた。「エアロゾル=雲」ではない。 <無 人化を前にして>(2004年9月) 土
器屋由紀子
測候所では8月27日に風・全天日射量・目視観測を終了(気温・露点・気圧・日照時間のみが自動観測される)し、いよいよ無人化に向けて秒読みの段階に入 りました。 ここしばらくの動きを簡単にまとめて報告します。 6月18―22日 現場の忙しいスケジュールの間に大気化学集中観測(Mt. Fuji Summer Campaign '04)を入れていただき、気象研究所・五十嵐康人主任研究官をチームリーダーに、農工大・片山葉子教授、阪府大・坂東博教授(竹中規訓助教授)、産総研 兼保直樹主任研究員および江戸川大・土器屋とそれぞれの学生たちで、集中観測を行いました。短期間でしたが、従来の観測に加えて、山頂でNOxの観測、 COSの鉛直分布などの新しい観測を行いました。 7月20−22日 大気化学観測装置の撤収(1992年から連続観測を行っていたオゾン計や、1999年からのCO計、2000年以降に設置したCO2 計、Rnモニター、またNOx(本年6月下旬に始めたもの)などの微量気体測定装置、エアロゾル採取のためのHV(2001年より連続)、BC測定用のエ サロメータ(2002年より連続)のすべてのスイッチを切り梱包して降ろしました。もちろん空気取り入れ口のダクトも取り外し、現状復帰しました。それ以 降のデータは取れていません。 富士山測候所跡利用のための大気科学研究者の見学会(8月16―17日) 16日:御殿場における会合 17日:見学会 8月29日(日) 15:00-17:00 富士山高所科学研究会 集会 山頂施設利用を今後も希望する電波望遠鏡の山本智先生、高所医学研究会の浅野勝己先生も加わり、今後の対応策を議論し気象庁へ申し入れを計画。しかし話し 合いの過程で気象庁長官宛の申し入れは取りやめました。 気象庁として、跡地を次の利用者に現在の状態を保存したままで(いわば「ピカピカの中古住宅」状態で)渡すのは当然のことであるという誠意のある回答が得 られたためです。 9月4日、ホテル御殿場館21で「富士山測候所有人観測終了ご苦労さん会」が行われ、出席しました。参加者160名以上。72年の歴史に区切りがつけられ ることを惜しむ声が多く聞かれました。マイクをまわしていただいたので、「大気科学の研究のために広く使える施設にしていただけるまでを粘り強く頑張りま す」と話してきました。 9月17日 気象庁へのこれまでのお礼と話し合いに筑波大学名誉教授の浅野先生と参上しました。 9月18日 「宇宙船地球号(テレビ朝日)」の取材のクルーと一緒に富士登山。農工大片山葉子教授のCOSの試料採取を行いました。 |